双極性障害 生き抜く!  

アラサー双極女の奮闘記

「5本指って気持ち悪くない?」

小学校1.2年生の頃だったか。
学校の授業で裸足になる機会があった。
先生の号令で同級生たちが次々に上履きを脱いで裸足になっていく中、私だけが裸足になるのをためらい上履きを脱げずにいた。近くにいた女の子が私を見てどうしたのと話しかけてきた。私は答えた。

「恥ずかしいの。5本指の足って気持ち悪くない?エイリアンみたいで。」

私がそう答えるとその娘は一瞬驚いた顔をしたが、すぐにこう言った。
「みんな5本指だよ?」
そんなことは知ってるよ。友達も先生も父も母もみんな足は5本指。周りの人と同じであればそれで良くてそれ以上は思考をストップ。感じる事や疑問を持つ事を放棄する。それが普通。なんだか寂しかった。母にあんたは変な事を言うわねと言われたことを思い出した。一人取り残されたような気分だった。
私は下を向いたまま上履きを脱いで何事もなかったように準備体操を始めた。

大人になった今、子供の時のように常識や目の前のことについて疑問を持ったり考えたりする事をやめてしまっている。考えると寂しくなってしまうから。

 

だが、今でも裸足になると自分の足がエイリアンのそれのように見えてしまい目をそらしてしまう。